アクセリード設立の合弁会社アルカリスがmRNA医薬品製造工場を福島県南相馬市に建設することを決定
—全世界を対象にした mRNA ワクチン、治療薬の原薬工場を 2023 年に稼働予定—
アクセリード株式会社(代表取締役社長:藤澤朋行/以下、アクセリード)は、Arcturus Therapeutics Holdings, Inc.(NASDAQ:ARCT/以下、アークトゥルス)と共同で設立した合弁会社「株式会社 ARCALIS」(代表取締役社長:藤澤朋行/以下、アルカリス)の mRNA医薬品製造工場を福島県南相馬市に建設することを決定したことをお知らせします。
1.概要
(1)アルカリスの事業概要
アルカリスは、mRNA 医薬品受託製造開発事業(以下、mRNA 医薬品 CDMO)を展開する会社であり、アークトゥルスの開発パイプラインの製造拠点としての責任を果たしつつ、世界中の製薬会社、創薬ベンチャー、アカデミア等、幅広い顧客に高品質の mRNA 医薬品の安定供給を約束する世界初の統合型mRNA医薬品CDMO事業の展開を目指します。
福島県南相馬市で建設予定の工場では、現行の医薬品適正製造基準(以下、cGMP)を満たした最先端の製造管理、品質管理システムを備え、日米欧を中心とした全世界を対象にmRNA ワクチン、治療薬の受託製造を行う予定です。第一ステップとして、2023 年中には原薬工場を稼働開始する予定です。
(2)アークトゥルスの研究開発の概況
アークトゥルスは、臨床試験段階にある mRNA 医薬品候補を有する mRNA 医薬品開発企業であり、感染症に対する mRNA ワクチンに加え、肝臓や呼吸器系の希少疾患治療用mRNA 医薬品も開発しています。現在同社が日本国外で開発中の新型コロナウィルスに対する mRNA ワクチン ARCT-021 は、現在使用されている mRNA ワクチンとは異なり、1回接種かつ冷蔵保存可能な自己複製型 mRNA ワクチンとなる予定です。
(3)関係者のコメント
アクセリード藤澤社長は、「新しい創薬モダリティーである mRNA ワクチンの有効性、安全性はファイザー、モデルナの製品によって既に実証されており、mRNA ワクチンの開発は今後も拡大しアルカリスに対する製造ニーズも拡大の一途を辿ると予想しています。また、工場建設、稼働開始を通じて東日本大震災からの復興へ貢献できればと考えています。」と述べています。また、門馬和夫南相馬市長は、「最先端の医薬品生産拠点を確立することは、本市の復興や地域経済の活性化に多大な貢献を与えることになると期待しています。今回の企業誘致が成功するよう市としても伴走支援を行ってまいります。」と述べています。
(4)本事業と政府の取組との関係
本事業は、政府が推進する「福島イノベーション・コースト構想」及び日本のバイオ産業のさらなる競争力向上に向けた「バイオ医薬品等の CDMO の競争力強化」に資するものと位置づけられることができ、詳細は以下の通りです。
①福島イノベーション・コースト構想の推進
本事業は、福島県での新たな産業の創出及び産業の国際競争力の強化に寄与する取組等の重点的な推進に関する計画として、2020年、福島イノベーション・コースト構想重点推進分野に追加された「医療関連」分野における産業集積の先駆けとなるものとして期待されています。
②バイオ医薬品等の CDMO の競争力強化
バイオ医薬品等は、従来の化学合成とは異なる特殊な製造技術・ノウハウが必要で、従来の低分子医薬品に比べて開発・製造コストが高いという課題を有しています。また、新規医薬品の開発におけるベンチャー企業の役割が増加しつつある中、技術力はあるが、資金力の乏しいベンチャー企業の活力を最大限発揮するためには、外部事業者との連携が不可欠となっています。
このため、政府は、国内における製造基盤の確保の観点からバイオ医薬品等の CDMO の競争力強化を図っております。本事業はバイオ医薬品等の CDMO の先進事例となることが期待されています。
(5)備考
アルカリスの設立に関しては、2021年4月27日にアクセリードから報告している「アクセリード、mRNA 医薬品 CDMO 合弁会社「ARCALIS」を設立」1で記載したプロジェクトの一部であります。本プロジェクトは、2021年4月7日に株式会社日立製作所とアクセリードが共同で報告した「日立とアクセリードが次世代バイオ医薬品の早期創出に貢献するソリューションの共同開発に合意」2で記載した具体的なプロジェクトの一つです。
1 プレスリリース URL:リンク2 プレスリリース URL:リンク
2.関係機関について
■アクセリードについて
アクセリードは、2017 年に武田薬品の創薬プラットフォーム事業を継承し事業を開始した日本初の創薬ソリューションプロバイダーである Axcelead Drug Discovery Partners 株式会社(ADDP 社)を中核とした創薬プラットフォーム事業を展開する企業グループです。
アクセリードは、2018 年にウィズ・パートナーズと武田薬品が日本の創薬エコシステムの推進を目的とし共同で設立した創薬維新ファンドの旗艦投資先企業であり、日本のみならずグローバルのヘルスケアビジネスに様々な貢献を果たしていきます。
詳しくは、アクセリードのウェブサイト(https://www.axcelead-hd.com/ )をご覧ください。また、ウィズ・パートナーズについてはウェブサイト(http://www.whizp.com/ )をご覧ください。
■福島県南相馬市について
現在の南相馬市は、2006年1月1日に旧小高町、旧鹿島町、旧原町市の1市2町が合併して誕生しました。
南相馬市の位置は、福島県浜通りの北部で太平洋に面し、面積は398.58平方キロメートルです。東京からの距離は292キロメートルで、福島県いわき市と宮城県仙台市のほぼ中間にあります。
2011年3月11日に発生した東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故からの復興を目指し、2019年に策定をした「南相馬市復興総合計画 後期基本計画」に基づき、100年のまちづくりを推進しています。また、政府の推進する福島イノベーション・コースト構想に沿って、ロボット・ドローン分野を始め、医療関連などの重点分野に関する企業誘致などの各種取組を実施しています。
3.お問い合わせ先
アクセリード株式会社
〒251-0012 神奈川県藤沢市村岡東二丁目 26 番地の 1
広報携帯:070-1505-7957
問い合わせフォーム: hd_contact@axcelead.com
南相馬市
〒975-8686 福島県南相馬市原町区本町二丁目 27 番地
問い合わせフォーム: syokorosei@city.minamisoma.lg.jp
担当部署:経済部商工労政課企業支援係